正解がわからなかった日
先日電車に乗っていた時のこと。
私の座席の向かい側に座っていた女の子のところに駆け寄る女の子がいたのが目に入った。
お友達なのかなと思っていたら、なにやら空気が少し変で。
ん?
って思っていたら、その後に座ってた女の子から助けを求められた。
痴漢にあったらしいんですけど、どうしたらいいですか?って。
その瞬間に私
頭の中で色んなことが浮かんでしまって、今でも何が正解だったのかがわからないでいる。
私にできたことは駅員さん呼ぼうかと彼女達に言うこと。
被害の女性が触られたと言ってる男性に「この子が触られたと言ってるので」と言って電車を降りてもらうことを促すこと。
ただ、その男性の方は否定をして違う車両に歩いて行ってしまって……
その時に見えた鞄のヘルプマークに
一瞬、私は迷いが出てしまった。
何か誤解とかが生じている可能性は100%ないのか?って。
もちろんヘルプマークが必要な人だとしても、むやみに人の身体に触っていい理由にはならない。
ただ、ヘルプマークを必要としている人たちの理由を正しくしっかりと認識できてるとは言い切れない私が、ここで追いかけて詰め寄ることは正解なの?と一瞬迷ってしまったのは事実で……。
私も学生時代に何度か痴漢にあったことがある。
その時はいつもものすごく怖くて、立ってるのが精一杯で声もだせず、助けも呼ぶことができなかった。
された側の怖さとか、不安、不快感を、彼女と一緒ではないかもしれないけど、分かり合える部分はあると思う。
なくなるべき行為だと心から思ってる。
でも、それと同時に頭をよぎってしまったのが
痴漢冤罪のニュース。
私は現場を目撃したわけではないので、真実がわからない。
もしかしたら、冤罪に追い込んでしまうのかもしれない……。
そう思ったら正直、色々なことが怖かった。
頭の中で回るネットやテレビからの情報が、私に色々問いかけてくる気がして
痴漢は現行犯じゃないとダメだと言うことはわかっていたのに
触ったとされる男性を追いかけて、一緒に電車を降りてもらい、駅員さんなり警察を呼んであげることができなかった。
他の人が彼を連れてきてくれるか、本人が戻ってきてくれないか期待してしまった部分もある。
最終的に私達は駅のホームに降りてしまっていて、男性だけ違う車両で電車にいる状態で電車が発車してしまった。
どうしよう……と絶望を感じつつ
それでも今、この状況で私ができることをと思って
『駅員さんに相談しよう』と、被害にあったという子と、私の向かいに座っていた助けを求めてくれた子を連れて改札に行った。(後になって、2人は知り合いだったことを知る)
改札にいる駅員さんには、ここでは何もできないと言われ
再び絶望感を感じたけど
電話で他の駅員さんと連絡を取ってくれて、駅長室で話を聞いてもらえることになった。
次は駅長室まで彼女達を連れて行き、状況を説明して被害にあったとされる子と話をしてもらう。
彼女は被害届を出す意思がしっかりあったので、警察も呼んで話を聞いていただいた。
涙を溜めながら話す彼女をみていたら、もっと頑張ればよかったのかなと悲しい気持ちでいっぱいになってしまった。
助けを求めてくれたのに、ちゃんと対応しきれなくて申し訳ない気持ちが溢れた。
冤罪がよぎって、彼女を100%信じきれなかった気持ちや
もし男の人が逆上したり暴れたりしたらどうしようという不安も、正直あって
ヘルプマークを見て悩んでしまった気持ちも否定できない自分。
ただただ、悔やまれる。
気持ちの消化がうまくできない。
真実がどうであれ、彼女が怖い思いをし傷ついたのは事実なので
彼女の心の傷が少しでも癒えること、トラウマにならないことだけ
心から願わせてほしいと思う。
そして、もしあの男性が故意に触っていたのであれば
罪を認めてほしいし、2度とそんなことはしないで欲しいと、心から思う。
彼女がたくさん笑える毎日になりますように。